看護師の円満退職ガイド

病院・施設退職時に看護師が受け取るものと返却するもの・公的手続き

病院・施設を退職する際に看護師としてチェックしておきたい「受け取るもの」と「返却するもの」、また必要な各種手続き、公的手続きについて説明していきます。退職後、しばらく休む場合や転職活動を行う場合にはチェックしておきましょう。

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退職時に看護師が受け取る物

雇用保険被保険者証
雇用保険加入者を証明する書類

・次の転職先で必要
・ハローワークでの申請に必要

離職票
病院等を退職した証明

・「離職票-1」「離職票-2」があるので注意
・退職後10日後ぐらいに貰うことができる
・失業保険(失業手当)の申請に利用する
・不要と申請した場合は届かないので注意

健康保険被保険者資格喪失証明証
健康保険から脱退した証明書

勤務先に申請する必要がある
・しばらく働かない場合に必要
・国民健康保険に加入する場合に必要

厚生年金基金加入員証
厚生年金に加入している場合のみ

・退職後に勤務先から返却される

年金手帳・通常はコピーを提出しているので返却はない
・病院によっては預けている場合があるので注意
源泉徴収票
その年の年収が書いた紙

・勤務先によって1ヶ月程度かかる場合もある
・郵送によって受け取る場合が多い
・次の職場やや確定申告で必要になる

退職証明書
新しい職場に求められた場合

勤務先に依頼する必要がある
(注意)健康保険手続きに必要だが、離職票があれば問題ない

看護師転職キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

「健康保険被保険者資格喪失証明証」と「退職証明書」は看護師から申請しなければ受け取れないので注意しましょう。

また、「源泉徴収票」と「離職票」は退職日には受け取ることが出来ないので、後日郵送となります。

退職時に看護師が受け取るものを以下で画像と詳細を合わせて説明していきます。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証とは、雇用保険加入者であったことを証明する書類になります。(雇用保険は週20時間以上勤務する場合には義務付けられている保険です。)

雇用保険被保険者証
(出典:ハローワークより)
受け取る
時期
退職時に本人に渡される場合が多い
(会社に保管していない場合は、郵送される場合もある)
提出転職する場合は次の職場で提出する必要がある
失業手当
(失業保険)
ハローワークで、失業手当をもらう際に必要な書類
紛失の場合ハローワークで再発行の手続きを行う
雇用保険被保険者証再交付申請書が必要)
受け取っていない場合前職の担当者に連絡
看護師転職キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

雇用保険被保険者証は常勤、非常勤に問わず、働いていた病院側が保管しているもので、退職時に必ず渡されます。(1人につき1枚の発行になっています。)

退職後しばらく働かない看護師の方はハローワークで雇用保険受給の申請を検討してください。

離職票1と離職票2

離職票も同じく、病院(雇用)側から渡されるものです。病院からは退職の翌日から10日以内に渡される(郵送される)ものです。(10日以内が期限と決められています。)

【離職票1】
離職票1
(出典:ハローワークより)【離職票2】
離職票2
(出典:ハローワークより)
受け取る
時期
退職後10日前後
利用時期失業手当(失業保険)をもらう際に必要になる書類
受け取っていない場合前職の担当者に連絡
(雇用先として発行する義務があります)

退職時期に「離職票が不要」と言った場合には貰うことが出来ません。受け取っていない場合や必要な場合は確認しましょう。

健康保険被保険者資格喪失証明証

退職後に、市区町村の国民健康保険に加入する場合に必要になります。(退職後にしばらく働かない場合は必要になります。)

健康保険被保険者資格喪失証明証
(出典:全国健康保険協会より)
受け取る
時期
病院・施設等の手続がスムーズであれば「資格喪失の日から5日以内」に発行され、郵送される
利用時期必要な手続き:国民健康保険に加入手続き(資格喪失した日から14日以内)
代用が利く書類・離職票
・退職証明書
(上記でも手続きが可能な場合があり、確認のため全国健康保険協会へ問い合わせてください。)

厚生年金基金加入員証

基金のある病院などに勤務していたら、自動的に基金の加入員となり、退職時に年金手帳と一緒に受け取るのが一般的です。

受け取る
時期
退職日に年金手帳と一緒に貰える
対象厚生年金基金に加入している病院・施設に勤務していた看護師
利用時期将来、年金受給の際に必要

受け取ったら加入員証は大切に保管しておきましょう。将来、年金を請求する場合に必要な書類となります。

年金手帳

特に病院に勤務していた看護師の場合は、入職するときに病院側に原本を渡し、その後病院側が保管していることが多いです。そのため、手元にない場合は必ず返却をしてもらいましょう。

年金手帳
(出典:日本年金機構より)
受け取る
時期
退職日に病院・施設から受け取る
利用時期次の職場に提出する
紛失した場合紛失した場合は「年金手帳を紛失又はき損したとき」を確認

また、次の就職・転職先の病院・微設で必ず必要になりますので、大切に保管してください。

源泉徴収票

源泉徴収票は1年間の年収と源泉所得税(税金)が記載された票になります。簡単に言うと自分が稼いだ額と払った税金の額が記載されています。(12月頃に年末調整で貰うものと同じです。)

源泉徴収票

受け取る
時期
最後の給与を受け取る時、または明細が出る時
利用時期・新しい職場への提出する
・(必要な場合)確定申告で利用する
紛失した場合勤めていた勤務先に再依頼する

退職をした場合、最後の給与を貰うときに病院・施設側から受け取る必要があります。

看護師転職キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

12月末などに退職した場合を除き、退職した年に違う病院等に勤務する場合は、新しい勤務先に源泉徴収票を提出する必要があります。また、自分自身の年収を証明する証明物になりますので、家を借りる際やカードを作る際に必要になるケースがあり、必要な場合は確定申告でも利用します。

退職証明書

今まで勤めていた病院の退職を証明してくれるもので、「退職日」「退職の事由」などが記載されています。勤務先の病院に依頼をすることで発行されます。

受け取る
時期
自身で依頼後に郵送で受け取る場合が多い
利用時期・新しい勤務先で求められた場合
・失業手当や国民健康保険の手続き
(必要書類がない場合のみ)
依頼できる期間退職日の翌日から2年間
看護師転職キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

転職時に退職証明書を求める病院は少ないと思いますが、必要な場合は依頼しておきましょう。依頼しないと発行されないため、注意しましょう。退職証明書の発行は病院側の義務になり、発行義務があります。

また、退職証明書は病院側が看護師に向けて発行する書類になるため、離職票のような公文書ではありません。

退職・転職時に返却するもの

※病院・施設によって多少異なるので自身で確認を行いましょう。

1健康保険被保険者証(健康保険証)
2職員証、職員バッチ、名刺等
3通勤定期券(現物が支給されている場合のみ)
4事務用品・ユニフォームなど支給されたもの
5ロッカー鍵や資料など

返却するものを紛失した場合

長年看護師として勤めている場合には、返却しなければならないものを紛失してしまったケースも多くあります。

紛失した場合は勤務先によって対処の方法が違います。まずは紛失した旨をしっかりと伝えて、指示に従いましょう。

健康保険の変更手続き

退職後の健康保険には以下の4つのパターンがあります。

1国民健康保険への加入
2被扶養者になる(家族の健康保険)
3新しい病院・施設への転職(社会保険)
4健康保険任意継続(健康保険任意継続制度)

健康保険任意継続制度は、その病院・施設を退職しても現在の健康保険を継続するための制度となります。希望により2年間継続することが可能です。

希望する場合は「健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について」を確認しておきましょう。

基本的には、1~3のいずれかの選択になる場合が多いです。

看護師転職キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

健康保険任意継続を行う場合は、勤務先に退職時に伝える必要があります。また、転職することを勤務先に伝えていない場合は、「1」の選択であることを伝えておきましょう。

国民健康保険への加入・変更手続き

看護師として退職後、働かない場合や転職先は決まっているけど空白の期間がある場合には、健康保険の変更手続き(国民健康保険への加入)が必要です。

期限退職後14日以内
場所健康保険窓口
必要書類・健康保険資格喪失証明書
・本人確認書類(運転免許証など)
・印鑑
・届出書(市区町村から貰う)

国民健康保険への加入を行う場合は、お住いの市区町村のホームページを確認しましょう。

看護師を退職して家族の扶養に入る為の注意点

看護師は女性が多く、退職して家族の扶養に入る場合があります。(結婚の場合で退職する場合も同様です。)

期間できるだけ早く
提出先家族の勤務先
提出書類・源泉徴収票
・退職証明書または離職票のコピー
・失業保険や年金を受給している場合は、受領金額のわかるもののコピー
・世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合)
社会保険の扶養条件
★健康保険・厚生年金

・1月1日~12月31日まで年収130万円未満

税金の扶養にも入る場合
★控除による所得税軽減

・年収103万円未満

以上の金額となりますが、退職の場合は過去の収入ではなく、未来の見込み収入額で判断されます。
看護師転職キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

そのため、月の給与が108,333円以下(交通費など含む)でなければ、退職した年に扶養に入ることが出来ませんので注意しましょう。さらに詳しい条件については「健康保険の扶養にするときの手続き」を確認しておきましょう。正社員で働いている看護師の場合は厳しい金額だと思われ、パートなどの場合は可能と言えるでしょう。

結婚等の氏名変更に伴う看護師免許の更新

女性看護師で結婚する場合、「氏名変更」と「本籍地の変更」を行った場合、看護師免許の更新する必要があります
(住所変更のみの場合は変更の必要はありません。)

看護師・保健師・助産師の場合

時期(期限)「氏名」「本籍地」変更後30日以内
必要書類・旧看護師免許証の原本
・戸籍謄本(発行6ヶ月以内・戸籍抄本でも可)1部
・印鑑
・申請用紙(保健所から取得する)
手数料1,000円(収入印紙)
手続き場所住所地の管轄にある保健所など
(就業中の場合は、勤務地管轄の保健所となる)

准看護師の場合

時期(期限)「氏名」「本籍地」変更後30日以内
必要書類・旧准看護師免許証の原本
・籍訂正・免許証書換え交付申請書
・戸籍謄本(発行6ヶ月以内・戸籍抄本でも可)1部
手数料3,400円程度(手続を行う都道府県で異なる)
手続き場所お住いの都道府県

退職後に転職しない場合の公的手続き

一度退職をして、しばらく働かない場合や、退職してから転職活動を行う場合などは、以下の手続きが必要になります。

(上記で説明した国民健康保険への加入・変更手続きも必要になるので注意しましょう。)

失業保険の給付手続き

期限出来るだけ早く
必要条件・失業状態であること
・退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上あること
・ハローワークに求職の申し込みをしていること
場所管轄するハローワーク
必要書類・離職票1、2
・雇用保険被保険者証
・顔写真2枚(直近3ヶ月以内、縦3cm×横2.5cm)
・失業保険送金用口座のわかるもの
・印鑑
・本人確認書類(運転免許証など)
・本人名義の普通預金通帳

失業保険の給付額は退職前の6ヶ月の給与と自己都合による退職か、病院・施設等の都合による退職かで異なります。

詳しくはハローワークの「雇用保険手続きのご案内」を確認しておきましょう。

また、以下でも詳しく解説しています。

看護師のハローワーク活用

年金の種別変更手続き

国民年金の被保険者には第1号被保険者から第3号被保険者まであり、違いは以下の通りです。

第1号勤務先を退職し、仕事を行わない場合
第2号病院・施設・企業等に勤務している場合
第3号・配偶者が第2号被保険者であること
・退職者の収入が年収130万円未満(60歳以上や一定の障害者は180万円未満)であること

第1号被保険者に切り替える場合

期限退職してから14日以内
手続き居住地の市町村役場
必要書類・年金手帳
・離職票または退職証明書
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑

第3号被保険者に切り替える場合

期限できるだけ早く
手続き家族の勤務先
必要書類・国民年金第3号被保険者該当届
・世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合)
・源泉徴収票
・退職証明書または離職票のコピー
・失業保険や年金を受給している場合は、受領金額のわかるもののコピー

条件が当てはまる場合は、退職後に「第3号被保険者」に切り替えましょう。

住民税の支払い

住民税の支払いは給与天引きで行われていましたが、退職後に働かない場合などは、退職月に応じて以下の対応が必要となります。

6月~12月
に退職
自分で納める(分割可能)
1月~5月
に退職
5月分までを一括天引き

※自分で納める場合は一括か分割かを選択することが可能です。

関連リンク

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まとめ

退職する場合に看護師が行う手続きは多く、内容も複雑です。

病院・施設等から貰う書類は必ず確認を行い、

  • 退職後転職する方:新しい勤務先に必要書類を提出
  • 退職後、しばらく休む方、転職活動する方:各種手続きを行う

など、忘れないようにしましょう。

退職前に転職活動を行う理由としては、複雑な手続きを回避するためでもあり、新しい職場の入職日をしっかり調整すれば、手続きはとても楽になります。

参考文献等

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