2019年(令和元年)9月4日に厚生労働省が発表した2018年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況によると、就業中の正看護師数は1,218,606人であることが分かりました。
正看護師全体として、2年前の調査より約69,000人増加しています。
しかし以前として、介護保険施設等で働く正看護師の割合は全体の7.3%と低く、訪問看護ステーションでは全体の4.2%に留まる結果となりました。
また、看護師不足が懸念される都道府県は、一都三県(埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都)などが該当し、埼玉県は人口10万人当たりの看護師数は693.6人となり、全国平均963.8人を大きく下回る結果となりました。
詳細のデータは以下から確認してください。
正看護師数の推移(男性・女性)- 男性看護師
- 女性看護師
- 全体の就業看護師数
- 男性看護師
- 女性看護師
- 全体の就業看護師数
年数 | 全体 | 女性 | 男性 |
2008年 | 877182 | 832298 | 44884 |
2010年 | 952723 | 898975 | 53748 |
2012年 | 1015744 | 952423 | 63321 |
2014年 | 1086779 | 1012811 | 73968 |
2016年 | 1149397 | 1065204 | 84193 |
2018年 | 1218606 | 1123451 | 95155 |
(単位:人)
就業中の女性看護師数は1,123,451人となり約58,000人、2016年より高い推移で増加しています。一方男性看護師数は、95,155人となり、約10,000人の増加に留まる結果となりました。
正看護師の雇用形態- 正規雇用の看護師
- 非正規雇用の看護師
- 派遣の看護師
- 正規雇用の看護師
- 非正規雇用の看護師
- 派遣の看護師
2018年度の就業中正看護師雇用形態は、正規雇用が82.2%(1,001,542人)と一番高く、非正規雇用の割合は17.5%(213,332人)となりました。
派遣看護師にについては全体の0.3%(3,732人)に留まる結果となりました。
就業場所の正看護師数- 病院
- 診療所・クリニック
- 介護保険施設等
- 訪問看護ステーション
- 病院
- 診療所・クリニック
- 介護保険施設等
- 訪問看護ステーション
病院(20床以上) | 863,402人 |
診療所・クリニック | 155,986人 |
助産所 | 190人 |
訪問看護ステーション | 51,740人 |
介護保険施設等 | 89,270人 |
社会福祉施設 | 18,897人 |
保健所 | 1,237人 |
都道府県 | 1,003人 |
市区町村 | 7,139人 |
事業所 | 4,784人 |
看護師等学校養成所又は研究機関 | 16,867人 |
その他 | 8,091人 |
総数 | 1,218,606人 |
(※介護保険施設等は介護老人保健施設・介護医療院・指定介護老人福祉施設・居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所等)
正看護師の就業場所としては、病院(20床以上)が一番高く863,402人(70.9%)、続いて診療所・クリニックの155,986人(12.8%)の結果となりました。
一方、看護師不足が顕著な介護保険施設等(介護老人保健施設・介護医療院・指定介護老人福祉施設・居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所)においては、全体の7.3%(89,270人)。地域医療に欠かせない訪問看護ステーションにおいては全体の4.2%に留まる結果となりました。
人口10万人当たりの看護師数(都道府県別)
北海道 | 1219.4人 |
青森県 | 1033.1人 |
岩手県 | 1098.9人 |
宮城県 | 867.3人 |
秋田県 | 1153人 |
山形県 | 1076.2人 |
福島県 | 920.7人 |
茨城県 | 765.5人 |
栃木県 | 846.8人 |
群馬県 | 974.5人 |
埼玉県 | 693.6人 |
千葉県 | 722.7人 |
東京都 | 792.3人 |
神奈川県 | 738.4人 |
新潟県 | 1010.8人 |
富山県 | 1211.1人 |
石川県 | 1278.7人 |
福井県 | 1161.8人 |
山梨県 | 1006.5人 |
長野県 | 1083.3人 |
岐阜県 | 848.8人 |
静岡県 | 900.1人 |
愛知県 | 814.5人 |
三重県 | 945.3人 |
滋賀県 | 999人 |
京都府 | 1089.8人 |
大阪府 | 942人 |
兵庫県 | 996.7人 |
奈良県 | 964.7人 |
和歌山県 | 1154.5人 |
鳥取県 | 1282.1人 |
島根県 | 1289.6人 |
岡山県 | 1239.4人 |
広島県 | 1102.1人 |
山口県 | 1263.6人 |
徳島県 | 1235.2人 |
香川県 | 1195.5人 |
愛媛県 | 1245.5人 |
高知県 | 1511人 |
福岡県 | 1189.2人 |
佐賀県 | 1335.4人 |
長崎県 | 1319.2人 |
熊本県 | 1309.7人 |
大分県 | 1276.2人 |
宮崎県 | 1298.1人 |
鹿児島県 | 1394.3人 |
沖縄県 | 1060.6人 |
人口10万人当たりの看護師数の全国平均は963.8人となります。
人口10万人当たり最も看護師数が多い都道府県としては高知県(1511.0人)となり、続いて鹿児島県(1394.3人)、佐賀県(1335.4人)という結果となりました。
また、人口10万人当たりで看護師数が少ない都道府県としては、埼玉県(693.6人)となり、続いて千葉県(722.7人)、神奈川県(738.4人)、茨城県(765.5人)、東京都(792.3人)という順番となり、一都三県では依然と看護師が不足している現状となります。
調査・データ元
- 参照:厚生労働省 平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
- 調査期間:2018年12月31日
- 発表日:2019年9月4日
- 対象:都道府県、指定都市及び中核市
さらに詳しくは厚生労働省の「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 」を確認してください。